大仙寺の西南、堤防に近し。 大仙寺が鬱蒼たりと形容すべくんば、千光寺は又閑雅にして蕭洒たりと称すべし。 門前に墓地あり。 左手に氷川社及八幡社あり。 門を入れば観音堂あり。 堂内応永廿五年七月廿八日吉□敬白信心大旦那安良国と彫れる径七寸の鰐口を掛けたり。 本堂名相応せり。 此寺新義真言宗北足立郡大和田町普光明寺末にして、青龍山と号せり。 開山玄海寛治二年示寂。 又過去帳には寛治以来歴世の僧名を載せ、又境内に存せし五輪古碑の断片には永和元乙卯十二月十一日と記されたりと云へば要之、古寺なること明也。 近来の寺伝には天慶四年開山、慶徳二年中興、正徳五年法流相続と称せり。