亀久保

亀久保は、大井の北に位し、街道を挟て人家連る。 戸数百六十。 此村の開発は武蔵野地方にて比較的古かりしためにや、武蔵野開墾地方に於ては頗る重要なる開係を有す。 例へば上富地蔵堂の如きは亀久保の地蔵院と、大塚西福寺との共同管理なるが如し。

神明神社

亀居にあり、街道の西にあり。 慶長三年の創立にして、村社なり。

地蔵院

東久保にあり、真言宗、大和田普光明寺の未にして、正和三年十一月覚応の創立なりと云ふ。 享保元年修繕あり。 本堂あり、薬師堂(?)あり。 然れども今や住僧なし。 木宮山薬王寺と称したりとかや。 上富地蔵尊は元此寺と西福寺にて管す。 今は此寺の世話人のみ赴くと云ふ。

亀久保の東北方、畑中に二三の古墳あり。 其大なるを狐(おとか)山と云ふ。 此辺矢根石出るとありとかや。