東光寺

天神社より小徑をとりて西南行し、大和田所沢街道に出づれば、直ちに一寺あり。医王山東光寺と云ふ。門を入れば桜樹八九本先づ迎へ、本堂の茅葺屋根甚だ高きを見る。堂の講造も稍古風也。堂の右手に荒廃せる小堂あり。後の中崖に金刀比羅の祠を設け、傍に額堂もあり。崖上に住僧の墓あり。開山大和尚ヽ丶禅師慶長十九年七月廿五日、中興丶丶和尚寛永八年丶丶丶丶など記したる石塔立づ。崖下馬頭尊の傍二小板碑あり。一は貞治二年十月八日□賢と記し、一は理生台女正長元年四月九日と記されたり。曹洞宗、永源寺吾妻村久米)末、世代今に二十六世なりと云ふ。