時宗、正徳庵と云ふ。古記書類なし、伝に曰く元弘年間遊行二代真教上人の徒弟久阿弥陀仏当寺へ住職し其善行寺如来を本尊とすと、之によれば其以前己に一寺たりしが如し。但久阿弥を開山とす。其頃は村内字神明下にありしを(今も旧境内と云あり)正長中道阿弥住職の時今の地に移せりと其頃当村の住人中根伝七郎檀家なりしを以て同氏祖先の墓あり。後慶長年間中根氏幕府の徒となり毎年九月四日当寺の祖先を祭りしが維新後廃せり。