新久

新久は村の西南部にして、戸数百五十。

八坂神社

鎮守也。由緒不明。

龍円寺

新義真言宗智山派に属し、高麗村聖天院末、龍岳山観喜院と号す。境内に子の観音堂あり。開創不詳、中興開山俊誉、寛永六年寂す。堂宇荘厳なりしが、明治三十四年三月類燃に罹り、五月今の仮本堂を設け、子観音も其一部に安置せり。

市川屋敷跡

田谷(新久の田谷と小谷田の田谷とは位置接近せず)にあり。四反許の処にして、地頭市川太左衛門の住せし処と云ふ。其頃の鎮守たりし田谷稲荷の祠今も存す。又古井もありて龍円寺の観音は此井中より出てたりと伝ふる也。