菅原町にあり。福聚山と号す、金子村瑞泉院末開山は一樹存松、天文二年寂す。開基は小沢主税なりと云ふ。相伝ふ、此地は元弘三年新田義貞の本陣なりしと。蓋し義貞の武蔵野に戦ふや。疾風の如く、迅速なりしと雖、必ずや其一夜両夜を何れの処にか夜宿して露営せざるべからず。義宗の時亦同じく、若し夫れ足利基氏に至ては久しく此地に関東の機務を覧たり。或は此等の英雄何れか曽て此地に宿せしにやあらん。寺堂大にして境内亦狭からず。