曹洞宗大袋村東陽寺末、増輝山と号す。昔は草庵にて休庵と云ふもの世塵を避けて爰に幽居し、康永三年八月十三日寂し、大雲寅徼と云ふもの開山し、元和元年に寂す。本尊正観音、其胸中に行基作六寸許の正観音を秘胎すと云へど、見るもの失明すべしとの伝説あり。本堂、禅室、客舎、鐘堂等あれど、曽て火災にかゝり、旧観を保つ能はず。