霞ヶ関趾

水富村との境界線に当り、低地より高台に登る坂上にあり。付近に大なる榎あり。村内に存する俗称黒米屋及白米屋の先祖は関に近く旅宿を開 業したりしものと言ひ伝へらる。

春立つや霞ヶ関を今朝越えてさても出てけん武蔵野の原。

いたづらに名をのみとめて東路の霞の関も春ぞ暮ゆく。