西浄寺

中本宿にありて、円光寺の北方に位す。真言宗律派東京湯鳥霊雲寺末也。寛保二年高健比丘和尚の再建にして、其以前は常楽寺末、天台宗行人派なりしと云ふ。寛延元年徳川右衛門督宗武の寄附せし石の宝筐塔一個あり。又八代将軍寄附にて四派の幟一個、又長髪あり。井伊掃部頭息女の寄附と号す。寺に大黒天を安置し、甲子の日甚だ雑沓せり。然れども近来稍々衰頽の色あり。