阿須ヶ崖

風土記の要に曰く、「村の東仏子村界にあり。古は連綿せし山なりしが、入間川洪水の時、山崩れしより、数十丈の崖となれり。下より望めば恰も屏風の如く、又崖の西辺より山間へ入ること二町許にして谷間に一丈より四五丈に及べる崖あり。其中腹或は谷底に槍皮あり。其様恰も太古高堂大厦ありて地中に埋れしものゝ如し。屋根の端と覚しさ所長三四十間、厚三尺許、又大木柱の様なるものありしと云ふ説あり。土人此辺を瀧の沢と云ひ、又大沢と呼ぶ」と。高岸谷となり、深谷陵となる。天地の変革亦偉ならずや。断崖の趣頗雄大崖上の眺望亦甚だ佳也。