的場

的場は村の東部に当り、東西二十町、南北三十町に達する大村にして、人家二百三四十戸、伝へ言ふ。 大導寺駿河守、隣里上戸の城にありし時、此辺に弓銃の的場ありしと、的塚と称するもの曽て存せしと云へり。 即ち古は三芳野の里にして、小名に三芳野と云へる所あり、又三芳野塚あり。 其他初雁池は田となり。 蟹淵も田となり。 的塚の塚上には御岳山を祭る。 三芳野塚は最も大にして、瓢形古墳也。 初雁塚に浅間神社を祭る。 今は塚形も変化せり。 牛塚も瓢塚なり。 其他数十年前までは旗塚以下大凡三十許の塚あり、此辺石土器畑中に川づること多し。

八坂神社

村の中央にあり。 村社也。

若宮八幡神社

村の南方にあり。

法城寺

村の北方にあり、的場山と号し、曹洞宗鯨井長福寺末也。 此寺往古三芳野塚の傍にありて、三芳野山宝常寺と称へしが、何時の頃よりか山号を改め、寺号を書替たりと云ふ。 開山年代不明、中興は正保の頃にあり。 寺の開基は村の旧家神山氏にや。 寺に三芳野天神縁起を蔵す。