常楽寺

川越山と号し、時宗也。 開山は遊行三代中政智徳上人にして、元応二年七月朔日示寂也。 中興開基大導寺駿河守(松雲院殿江月常静居士、天正十八年七月十九日卒)今も其霊牌及墓を存す。 墓石は再建と覚しけれども、霊牌は当時の制に適へるが如し。 又板碑甚が多し。

境内垂梅の大なるものあり。 楼門、裏門の風趣味ふべし。

寺の西方に高五六尺、長一町にも及べる土居の跡あり。 思ふに寺の西隣館蹟にして、土居は常楽寺をも包みしものならん。