成願寺

成願寺は村の最北部に位し、入西村小山北大塚と甚だ接近せり。其小字に欠ノ下あり。又毛呂分は毛呂氏の領せし地なるが如く、小塚は勿論大塚に対するの名なるべし。

成願寺

若台にあり。曹洞宗にて多和目恵源寺末、中興は永禄元年の頃にあり。古は臨済宗にて建長寺に属する巨刹たり。円覚寺応永十七年の古文書にも浄願寺塔頭曇華庵と見ゆと云ふ。今は寺堂廃頽に傾きたるも、旧寺域の地方甚だ広く、後方に土居あり。西に稍々半町を隔てゝ、沢田氏あり。深田氏は相州より来て此村を開きし人、蓋し成願寺に対する開基の位置にあり。