春日社の東南にあり。法恩寺末也。御嶽山不動院と号す。開山栄仁応永六年寂すと云ふ。墓石あり。後の修造ならん。寺に古霊牌あり。権大僧都法印頼誉和尚と記し、裏に享禄五年壬辰十月廿四日と記せり。制式当時のものなるが如し。又一基婦久権大僧都慶祐覚位慶長九甲辰暦十一月八日入滅子時壬○之年住法印也と記せり。当時のものなるに似たり。本堂は甚しく古色を存せずと雖、焼失せしとはなしと云ふ。不動堂あり。門牆あり。西北東の三面は元、土居を以て囲みしが如し。