猪鼻町にあり。 浄土宗也。 関東十八檀林の一と称せらる。 開山感誉は川越城主大道寺駿河守の姪なりとかや。 徳川時代に入りて益々隆昌し、本堂方丈庫裡鐘楼の外、地蔵堂、五智堂、教海堂、学寮其他小社諸堂甚だ多く、壮大華麗なる伽藍なりしが、明治二十六年火災のために鐘楼の外、全山遂に鳥有となれり。 現今の本堂以下は其後の苦心経営に出づと雖、寺観の盛衰古今日を全うする能はざる也。