志多町にあり。 古の大寺院也。 時宗にして、第二世遊行上人の開山也。 天文十五年川越夜戦に兵火に罹り、爾来又振はずと雖、其より以前は今の東明寺及寺井と称する地方一円此寺の寺領たりし也。 境内に稲荷の祠あり。 又傍に富士塚あり。 此辺川越夜戦の激闘地にして、髑髏刀鎧等今も往々出づることありと云ふ。