願成寺

字熊坂にあり。真言宗新義派にして比企郡今泉村金剛院末也。貞治四年八月僧希西の創立にして、希西翌年寂す。寛政の始覚誉中興す。今の本堂は寛政時代の建造なれど、古風の趣あり、堂は元は少しく南方、墓地の傍にありしと云ふ。墓地に大板碑あり。

貞治五年 丙子 七月廿五日 沙弥希西

右○○○為逆修善根

造立塔婆伏願四部○○

永徳二年 壬戌 八時正○虎敬白

三十七人現世安穏後世

○○法家含雪○○○

と記し。尚一基は文字不明也。又傍の小板碑には、

康安二年 壬丑 九月十三日放宗敬白 禅尼立

と記せり。又墓地と本堂の間路傍に板碑塚あり、無数の板碑積み重ねられたり。

此等は凡て境内南方の林地を開墾する時発見したるものなりと云ふ。寺に曽て畠山重忠の乗鞍と称するものを蔵したりきと云ふ。