並木神社跡及井上氏

勝呂社の西に井上氏あり。 其庭園中に一丘あり。 元並木神社を祭る。 社は井上式部少輔藤原広利が文禄四年創立せし所と伝へられ、広利は丹後宮津より此地に移れりと云ふ。 天保三年社丘前面の麓に一小穴を生じ、内より金環、管玉、鉄轡等出でしが、明治十八年再び暴雨のために小穴を生じ、古器物、石碑片を得たり。 其等諸品何れも井上氏に蔵せり。 社丘は勿論古墳也。