桂木山の頂上に近き処に観音堂あり。大同年間の建立と称せられ、元山頂にありしを、後世山腹に移せりと云ふ。法恩年年譜録には僧行基が山に名づけ、仏像を彫りしを記せり。要するに古堂なり。堂の入口に仁王門を設く、丹朱傍の長松と反影して亦一層の雅致を添へり。