所沢街道の西、屋敷と称する処に大日堂あり。 其前に一小古碑と樅の若木あり。 傍に由来を記せり。 然るに其碑は容易に信ずべからず。 伝ふる所によれば、大日堂の西南一二町ばかり、寺屋敷と称する処に元善仲寺あり、天正の初年古谷村に移したりと。 之を古谷村に存する口碑等に考ふるも略然るが如し。 善仲寺既に古谷村に移れり。 此に於て其跡に大日堂を設け。 善仲寺隠寮と呼びたり。 庚申山大日堂の説の如きは其後に至て附したる名称のみ。 (古谷村善仲寺の条参照)