植木村は郡の東北隅に当り、川越町を去る、一里ばかり、其他四周繞らすに河流を以てし、荒川東にあり、入間川北にあり。
古川屈曲迂除して西南を流れたり。 地勢低平にして水田比較的少く、陸田意外に多し、又池沼少からずして、屏風沼、淵ノ上、淵ノ下等あれど水利を欠く。 土質は砂質壌土也。 川越上尾街道村内を走り、北は比企郡出丸村に東は北足立郡平方村に、西南は郡内芳野古谷二村に連なる。 物産は麦、豆、米等にして、洪水の難多く、民居土と積みて高さをつとむ、戸数百九十三、人口千三百十三あり。 蓋し郡中小村の一也。 鹿飼、上中下老袋及東本宿の五大字に分れたり。