神米金

神米金(カメカネ)は村の中央に位し、川越街道の東西に拠れり。 元文元年十二月開墾して、武蔵野新田と称し、山口領の内に属せり。 徳川氏に直隷し、六十石、代官には上坂安右衛門あり。 後大岡越前守も此地を管せしとあり。 宝暦八年十月検地あり。 代官伊奈平左衛門之を行ふ。 而して伊奈氏代官となり、其後江川太郎左衛門も此地を支配せしことあり。 維新以来は明治元年八月知県事の支配地となり、二年品川県、韮山県、四年入間県(第三大区一小区)九年埼玉県、十七年神米金村連合戸長役場に属せり。 村は元久米新田、神谷神田、堀兼新田の三独立村より成りしが、明治九年一月八日改租の際之を合して、神米金と称せる也。

神谷新田

比企郡吉見村の農民神谷氏開墾せりと云ふ。

久米新田

所沢町吾妻村久米の新田也。

堀兼新田

堀兼村堀兼の新田也。

稲荷神社

字稲荷前にあり。 村社にして、宝暦八年九月の創建也。 末社に浅間社あり。 今は中富神明社に合祀せり。