石田本郷は村の北部にあり。 石田本郷或は石田村の本郷にして、古は石田村の地広かりしにや。 風土記によれば、「土人の伝に、昔石田、谷中の二村も皆当村の中にて、凡て石田と唱へしとなり。 案ずるに谷中は当村と石田との間に挟り、此村より谷中、石田と西へ次第したれば、さもありしにや。 此事正しき説ならんには三村に分れし時、本郷の名を冠せしならん。 北条役帳に谷中、石田の名見えたれば、分村せしも永禄年中より前の事なるべし」と。 戸数七十余。
小寺多し。 宝蔵寺、松寿院は川越中院末、観行院は上野寛永寺末也。